烈は本来自立型の人間だ。自分の道は自分で決められる。だから周りの人たちも無理矢理烈を説得しようとはしない。だが戻ってきてもらうための気遣いは一生懸命している。土屋博士から烈に送られたキーワードは「チャンス」。Jとリョウの言動にも注目。1度病院の兄貴のところへ行こうとする豪を止めている。烈の気持ちと状況を図りながらベストのタイミングを待っているのだ。
ジュンも大切な一言を持ってやってくる。「豪たち皆が頑張っているのは、また烈にマシンを走らせるチャンスを作ってあげたいからじゃない」…この言葉の意味がすぐには分からない烈。兄気質で頭がよくて判断力に長けてて、しっかり者で統率力があるため、いつも人に頼られてばかりだった烈。人のために働くことはあっても、自分のために誰かが何かをしてくれるという経験はあまりなかったのではないだろうか。
クールカリビアンズとアイゼンヴォルフの試合を見る烈。リョウはこれを待っていたのだ。満を持して豪を送り込む。そして烈の心の奥底の本当の気持ちを言い当てる豪(多分豪自身は気付かずにね^^)。「リーダーだからってチームのことにあんまり頭を使わねえでさ、自分のマシンを気分よく走らせることに使えよ」 驚いて目を見開く烈。私も驚いた。豪が初めて茶化しでも冗談でもなく、兄貴をリーダーとして認める発言をしたのだ! それと同時に烈も気付く。自分は走りたいから走っていたのだということに。走るのが楽しいから走ってきたんだということに。だから無意識にも公園でレースをして遊んでいる子供たちのところへ足が向いていたのだ…。
セイバーには泣きました…。思えばもう2年も前のことなのね。ここから始まったんだよね。よくここまで走ってきたよね、烈…。ミニ四駆。烈くんの何よりも好きなもの(この話、SGJC編の17話に相当していると思います)。マシンを走らせたい! 思い立ったら即実行。一瞬で切り替わって、後に気持ちを残さないのが烈のいいところ。「豪ってじゃまでうるさいけど、そうじゃない時もあるね」 豪も成長したと思う。自分のことしか頭になかった頃と違って、兄貴を気遣えるようになった。今の豪は一緒に走る仲間として烈を必要としている…。
それは豪だけじゃない。藤吉もリョウもJも皆烈を必要としている。一緒に走る仲間として。友として。そして、自分たちのリーダーとして。烈くんがしてきたことは無駄ではなかった。メンバー1人1人の個性を尊重する烈くんのやり方が、皆の心に信頼という絆を育ててきたのだ。
豪を身代わりに病院へ置いてきて、土屋研究所でソニックの改造に取りかかる烈。やってることは変わりませんねー、烈くんだ…(^^;。お帰りなさい。ビクトリーズはきみがいなきゃ始まらない。烈くん、きみはビクトリーズの結び目なんだから。さあ、今こそ立ち上がれ、烈! そして真打ちの本当の力を見せてやれ!