今週のレース

豪とカルロのマッチレース 1位 カルロ(ディオスパーダ)
2位 豪(サイクロンマグナム)

あらすじ

練習中にイタリアチーム、ロッソストラーダのメンバーと接触し、暴行を受けてしまう豪。だが、ロッソは豪以外の人間には本性を見せなかった。ゲームセンターでも偶然ロッソの暴行を目撃し、烈に訴えるが簡単には信じてもらえない。佐上のおっちゃんからロッソの試合中に起こる不可思議な現象の噂を聞いた豪はすっかりロッソの仕業と思い込み、Jや土屋博士にも訴えるが証拠がないので信じてもらえない。思い余って1人で行動してしまう豪。成り行きでカルロとマッチレースをするが、負けてしまう…。


カルロくん。暴力はいけない、暴力は(断固として)。

私がレツゴーを評価している理由の1つに「暴力シーンがない」というのがあります。児童・幼児向け番組では、これはとても大切なことです。レツゴーの場合、何があっても決着はレースでつけるという構造が、画面から暴力シーンを追放している。これは大事なことであり、もっと評価されてよいと思います。実は定番になっている児童・幼児向けアニメでも暴力シーンは意外と頻繁に登場しているのですね。見慣れてしまうと気付かなくなる…でも本当は子どもに見せるものとしてはどうなのか? 親の立場としてはよく考える必要があると思います。ここにこんな貴重なアニメがあることに気付いて、子どもに見せるものとしての価値をもっとレツゴーに見出すべきでは? 幸い、レツゴーでの暴力シーンはこの回だけに留まり、ほっと胸をなでおろしましたが…。

豪が本当にビクトリーズから浮くきっかけを作った回。これはまあ…豪にとっては色々不運が重なりましたね…。新モーターの威力に夢中で、じっくりモーターを慣らすことを怠り、仲間の走りこみの輪から外れて1人で好きにカッ飛んでいた豪。その時、ロッソがやってくる。ロッソも同じコースで練習走行していたのですね。ロッソの「じゃまだ」の一言に反応してつい自分から勝負を仕掛けてしまう豪。が、コーナーでスピンして結果としてディオスパーダの走行妨害をしたことになってしまう。怒ったカルロがマグナムを蹴飛ばす。そこで「てめー」とかみついたりするから、豪まで蹴られたのですね。しかし仲間と一緒にいなかったため、誰もその現場を見ていなかった。豪の日頃の振る舞いが自分勝手だったため、暴行を受けたと言っても今更誰も信じてくれない。頼みの綱の兄貴も弟には苦労していたし…。藤吉、二郎丸、土屋博士までもが豪を疑う中、タイミングよくロッソが現れ、土屋博士や烈には礼儀正しく振舞う。そこで豪の主張はますます説得力をなくしてしまう…。

その後、ゲームセンターでカルロの暴行シーンを目撃する豪。しかし、それは暴行を受けた子どもの方からカルロに逆恨み的なはむかいをしたから。その子のゲームが終了してしまった原因は確かにカルロと接触したせいだけど、接触自体は偶然。カルロにしてみれば、はむかわれるいわれは無いのです。つまり、こうやって状況をじっくり見ると、はむかわない相手には何もしないというカルロの姿勢が浮かび上がってきます。だから、子どもたちもロッソを慕って憧れの目でついていく。

今度はそのシーンを兄貴に訴えにいく豪だけど、烈くんはむやみに人は疑わない主義(20話、22話参照)。20話もよく見ると分かるのですが、Jが窓から出てくるところを自分の目で見るまでは豪の言うことも藤吉の言うことも信じてません。2人に付き合ってるだけなんです。22話も付き合ってるだけで豪の言うことは実は信じてないです(あ、20話も22話もこの回も脚本家同じだわ)。そういう子なんですよね。烈くんは自分の目で見ない限り駄目なんです…いや、今回は見ても駄目だったかも知れないぞ(^^;。豪に非が全く無かったわけでもないし。かえって怒られたりして…(ありうる)。それに烈くんが「悪は憎んでも人は憎まず」な人間であることは45話他で証明されている…。

それにタイミングも悪かったよね…ソニックをメンテ中の兄貴では…。烈くんにとってソニックをいじる瞬間というのは、豪のカッ飛びやリョウの勝負好きに匹敵する自分だけの世界。そこへ入っていくのは容易ではないですぞ。誰も豪のカッ飛びやリョウの勝負好きを止められないのと同じように。

その後豪も煮詰まって行く…。最初はロッソは暴力を振舞う人間だと信じてもらいたかったはずなのに、おっちゃんの噂話のせいで暴力の対象が人間からマシンにすりかわってしまった。だから土屋研究所に行く頃には、自分が暴力をふるわれたことはすっかり忘れて、レースの不正を暴く気になっていた。ビデオを見てバトルレーサーだと思い込むが、急にそんなことを言い出されてもJたちも困る。だって昼間は自分が暴行を受けたって話じゃなかったの、豪くん? それが半日たったら何故かバトルレーサーの話にすりかわっているものだから、途中のいきさつを知らない土屋博士とJには?です。だけど豪はそこまで頭が回らない…。そこでオレは誰にも信じてもらえないんだという発想へいっちゃう。で、1人で片をつける気でカルロたちの部屋へ行くも、許せねえー、の先を考えていなかった…。で、後はすっかりカルロのペース…。そこで豪だけにカルロは悪い奴だーっという気持ちが生じるのですね…。

…と書くと、いかにもシリアスそうな話だが、実はこの回の真の主役は豪でもカルロでもない。イタリアチームのマシン、ディオスパーダであります。タミヤさんも発売体制が整いましたようで…。夫が「欲しい…」と一言(夫は悪役に弱い)。真の主役は常にタミヤの販売戦略に合わせて登場する。

コロコロCMに映画バージョン登場。烈と豪もビクトリーズスタイルで、リオンも競演だ!

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