レースだけではなくて烈くん自身もとことん魅せてくれる。実はプレッシャーに弱い一面があると初めて明かされた回。でも烈くん本人は今自分が感じているのがプレッシャーだと分かっていなくて。だから心の戸惑いは行動になって現れる。その辺の演出が上手い。本人には自覚させないで行動や周りの人間の反応によって表現しています。
しかも作監高見明男氏!表情の1つ1つがもうかわいくてたまらない!相変わらず芝居も細かい。こんなに丁寧に演出しても子どもに分かるのかしら、もったいない…と思うほど。
さて…。今回妙にドキドキハラハラしてしまったレースシーン。何故だろう。原作の下敷きがないので今までと違って先が見えないから? いや、それだけじゃないような…。豪でもリョウでもこんな気分にはならないのに、何故?
弟に先をこされたあせりから「勝たなきゃ」というプレッシャーが生じ、スタートミスをしてしまう烈くん。これじゃ藤吉に勝つどころか、ビリだ…。でも昨晩の父とのことを思い出して気を取り直す。勝負はまだこれからさ!走行距離から考えれば選んだモーターでいけるかもしれない!
後半ぐんぐん追い上げを見せるソニック。思わず手に汗をにぎってしまう。アウトからかぶせて抜いて2位浮上! 藤吉との差はまだかなり。でも走るのは楽しい!コースアウトした子にかけより、
「ゴールまでいきたいだろ?じゃあ走ろうよ!マシンだって走りたがってるぜ。せっかくレースに出たんだもん、最後まで走らなくっちゃ」
走る楽しさを全身で表して快走するソニックと烈。ゴール直前でみごとにスピンアックスをかわし、逆転優勝! レース後は藤吉に自分からこう言わせる。
「今度はわても烈くんみたいに楽しんでレースをしてみせるでげす」
余計なことは言わず、余計な説得など一切せず、ただ走るだけで相手の心を開く烈。これが説得力を持つのは烈くんだからでしょう。爽やかな風が吹き抜けるような回。