考察で「レツゴーは子どもの成長を描いた作品でもある」と述べてますが、それはマシンの変化からも追うことが出来ます。ところで、マシンの変化と烈と豪の成長の軌跡をたどっていった時、面白いことに気付いたのでちょっとまとめてみようと思います。
マシンが描く起承転結!?
烈と豪のマシンはSGJC編の中でセイバー→Vマシン→サイクロン・ハリケーンと3段階に変化しますが、これがストーリー展開の基本となる起承転結と密接な関係にあったことに気がつきました。表にして検証してみます。
起 | ソニックセイバー マグナムセイバー |
1話 ~ 16話 |
物語の始まり。 この時期の烈: |
承 | バンガードソニック ビクトリーマグナム |
17話 ~ 37話 |
土屋博士がセイバーから発展させたマシンをもらい、烈と豪も大人のサポートを受けつつ子どもの世界を広げていく時期。 この時期の烈: |
転 | バンガードソニック サイクロンマグナム |
38話 ~ 44話 |
楽しかった子ども時代に大きな変化が訪れる。豪が大人の助けを借りずにサイクロンを作り上げ(大人&兄からの自立)、烈は焦り出す。 この時期の烈: |
結 | ハリケーンソニック サイクロンマグナム |
45話 ~ 51話 |
烈が爆発してクライマックスを迎え、烈も自分の道をみつけて自立を果たす。烈と豪の関係も兄弟からライバルへと変化して収束する。 この時期の烈: |
みごとにピタリとはまりましたね。よく出来た物語は基本もおろそかにしていないんだ、とそういう方面でも妙に感心してしまった表であります(^^。
ところでWGPでは?
WGPの烈と豪はそれぞれに自立を果たした後ですから、SGJCのように2つのマシンを同じ次元に置いて一緒に検証するということ自体が無理のようです。マシンとキャラの成長は比例しているのは確かですが(96話参照)、烈サイドと豪サイドでは起承転結の配分も違い、進行のしかたも違うので、物語を2つに分けてそれぞれの立場から検証するしかないようです。
豪 | サイクロンマグナム | 52話 ~ 85話 |
カッ飛び、ブッ飛び。 カルロとの絡みが豪を成長させる伏線になっているが、エピソードが散見しているため(間にドリームチャンスレースが入ったり夏休み編が入ったり)明確に「起承転」を分けるのが難しい。85話で山場を迎えて終結。 |
マシン開発中 | 86話 | でもナレーションは烈(^^;。 | |
ビートマグナム | 87話 ~ 102話 |
「結」 カルロを卒業してビクトリーズに溶け込む豪。カッ飛びはそのままだが、少し成長。皆で作ったビートはその証。 |
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烈 | ハリケーンソニック | 52話 ~ 92話 |
91話までが「起」からそのままずっと続く「承」の部分になる。ちょっと長いのはその間に豪側で片付けておかなければいけないことがあったからだろう。 リーダーでいる状態がそのまま伏線になっており、92話で自ら「転」を招き、物語を大きく動かす。 |
マシンなし | 93話 ~ 95話 |
「転」真っ只中。
もしかしたら烈はSGJC時代に「兄の位置」に頼っていたように、WGPでは自分を「リーダーの位置」に無意識に頼っていたところがあったのではないか。 |
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バスターソニック | 96話 ~ 102話 |
「結」 リーダーへのこだわりを捨てた時、烈は真にビクトリーズのリーダーとなる。 その成長の結実が不死鳥バスターである。 |
WGPとも並べてみると、SGJC編の烈と豪は表裏一体という感じですが、WGP編の烈と豪は並んで走っている、という感じですね。
それにしても、こうやって見てみるとマシンを文学的な見地からも実に上手く活用しているなあと思います。成長ものとしてのレツゴーはマシンから見たほうが理解が早いかもしれません。