[キッズアニメ特集]

キッズ向けアニメでの演出については、よく聞かれる、いわれることなのですが、自分としてはいつも子どもに向けて作品を作っているつもりなのです。(中略)願いは”生きる”とか”生かす”ということを感じられる大人になって欲しいということですかね。

~アミノ監督のインタビューより引用 ~

『レッツ&ゴー!!』はべつに、キッズ向けと意識していることはないので、なんと答えてよいか……。いつもと変わらないスタンスでいろいろなことに悩みながら作っています。(中略)ただ子どもたちのモノなのだということは意識していこうかなとは思っています。大人が作ったものだけど、組み立てたり、走らせたりするのは子どもたちですから。(中略)

『WGP』はチーム戦、その中でも子どもたちが成長するドラマを作りたかったわけですが、『MAX』は子どもを取り巻く環境を表現したかった。

~加戸監督のインタビューより引用 ~

情報提供:うえぽん様(ありがとうございます)



★紹介と考察★


アミノ監督と加戸監督のインタビューが載っている雑誌です。実は私はこの本は持っていないのですが、サイト開設当時に掲示板で閲覧者の方から情報をいただいて存在を知りました。これまでは自分が所持していないという理由でグッズ頁に載せるのを見合わせていたのですが、考察に影響を与える貴重な内容であることも考え、参考文献の1つとして紹介することにしました。上に引用したのはいただいた情報(インタビュー)の一部です。転載になってはいけないので、考察で言及するのに必要最低限の内容に絞ってありますのでご了承下さい。

キッズアニメ
この雑誌でキッズアニメ特集が組まれて、その中でレツゴーに関する言及もなされたということみたいです。子どもを描いたのがレツゴーだと思っていたけど、アミノ監督はそれだけでなく、子どもたちにメッセージも発信しながら作ってくれていたのですね。レツゴーが当初想定されていた層(小学4・5年男子)を超えて低学年から幼児層にまで広まったのは(てれびくん参照)、監督の願いが子どもたちへ伝わっていったからだとも思えました。

それでふと思ったのが、アミノ版では子どもの声優が黒沢くん以外全員女性だったこと。近藤ゲンでさえ声をあてているのが女性だったのには私も驚きましたが、これはキャラが(そして視聴者が)子どもであることへのこだわりだったのでしょうか。

なお、アミノ監督のインタビュー後半には解釈の難しい部分もあるのですが、SGJC編が子ども向けでありながら大人(親)でないと分からないメッセージも含んでいたことを考えると、そういうことだったのだろうかと思いました。

加戸監督はこれを見る限りでは特に子ども向けという意識は持っておられなかったようですね。これは解釈のしようによって意見が分かれるところかもしれませんが、「子どもより年長の層が見ても鑑賞にたえる作品」という意味かな?と受け取っておきます。WGPでは外国チームが大人っぽくなって声優も男性が多くなったのはそれを反映していたのかもと思いました(おかげで小学生に見えない!と突っ込みたくなるキャラが増えた^^;)。結果として子どもたちはWGPにも夢中になっていたので、ミニ四駆が子どものものという所は押さえてくれていたのが作品にも表れていたのだろうと思います。

チーム戦と子どもたちの成長
さらっと言われてますが、「WGPはビクトリーズの成長物語でもある」と感じたのが間違ってなかったなと確認できたことで意味が大きかった部分。マシンも個性もバラバラだったビクトリーズが友情という絆で心を1つにしていくところが好きです(そういう意味での成長ね)。それも1年かけて走るうちに少しずつ皆の気持ちがつながっていって、いつのまにか1つのチームになっていた…という描写がいいですね。ただ表向きはレース中心なので、この辺りはよく注意して見ないと気付かないかもしれません。気付かなくてもWGPを楽しむことは出来るけど、気付くともっとWGPが面白くなると思います。

MAX
これは1998年12月号ということで、MAXが終わりに近づいた頃のインタビューですね。ということで、MAXについても言及されているのですが、引用した部分ではMAXを解釈するに当って最も重要と思われることが述べられています。

WGPまでは「子どもの視点から子どもの世界を描いていた」のが、MAXになると「大人の視点」が入ってきたな…と感じていたのが、やっぱり当っていたようです。個人的にはレツゴーは「子どもの視点から子どもを描く」ところを評価していたので、MAXで視点が変わったことが戸惑いの原因(の1つ)になっていたのかもしれません。これはどっちがいいとか悪いとかいう問題ではないですが、当時小学生と幼稚園児の子育てをしていた立場から見れば、「大人から見た子ども」よりは「子どもから見た子ども」(子どもの目線まで下りてくれる描き方)の方が気持ちを入れやすかったですね。

このインタビューを知ったのはサイトを開設した後です(2001年)。よって、全話感想・考察コーナーは既に完成した後だったのですが、出来上がっていた感想・考察の見直しやサイト開設以降に行った考察の参考資料としてとても役立ちました。できればこの本を手に入れて自分の目で読んでみたいですが、今となっては難しいでしょうね…。


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